東北・北海道

【福島】芦ノ牧温泉へ、大内宿へ…日本の原風景を求めて──会津鉄道会津線 #66

キハ30改造のトロッコ気動車を見物

さて、芦ノ牧温泉駅前のもう一つの名物が、旧国鉄キハ30形を改造したトロッコ気動車、AT-300形 301号である。

1999年に会津鉄道初のトロッコ気動車としてキハ30 18からの改造で導入されたものの、種車は1964年製で老朽化が進んだこともあり、2009年に引退。それ以来、ここ芦ノ牧温泉駅の貨物側線跡で保存されている。側線は本線と接続されているものの、車止めが設置されているため、本線に出ることはない。

▲よく見ると行き先が「上三寄」行きになっている

なお、AT-301号が纏うこの塗装は会津鉄道のイベント車専用塗装で、このAT-301号と、併結されてイベント列車として活躍していたAT-100形103号のみが纏っていた。しかし相棒のAT-103号も追って2016年に引退してしまったため、現在会津鉄道を走る車両でこの塗装を纏う車両はいない。

▲AT-301号の後を継ぐトロッコ気動車、AT-350形351号(右)。会津鉄道唯一の片運転台車で、1両のみの在籍。AT-301号と違い新製車だ
▲AT-351号とペアを組むAT-401号。展望車兼お座敷車で、驚くことに元JRキハ40形からの改造。この2両で「お座トロ展望列車」として運転される

そのAT-301号の車内は、AT-301号の運転台をそのまま活用したシミュレーターや、Nゲージのジオラマなどが展示されているものの、基本的にはトロッコ気動車当時の姿を残している。

▲様々な鉄道部品や鉄道模型が展示されている
▲国鉄時代のそのままの運転台。現在はシミュレータに改造されている

車内は常時公開ではなく、土休日などに時間を限定して公開しているため、公開予定を「会津気動車愛好会」のHPで確認してから訪問するとよい。会津に息づく元国鉄キハ30形の姿を見に行くのも、また一興であることだろう。

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「日帰りでも満足!芦ノ牧温泉大川荘」

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