早朝便に対応する京急”早朝快特”
【1日目】品川5:15─(京急線快特羽田空港行き)─羽田空港国内線ターミナル5:32…羽田空港第2ターミナル6:10─(NH89便 ANA石垣空港行き)─石垣空港9:30…石垣空港9:45─(東バス10系統バスターミナル行き)─石垣港離島ターミナル10:20/11:00─(安栄観光西表島大原航路・大原港行き)─11:35/12:18─(西表島交通バス・豊原行き)─豊原12:23/13:40─(西表島交通バス・白浜行き)─白浜15:23/15:45─(西表島交通バス・豊原行き)─浦内16:02
さて、上海よりも遠い石垣行きは、羽田空港を出る航空便の中で、那覇行きと並んで最も早い6:10出発である。出発20分前(5:50)には搭乗手続き締め切りとなるため、遅くも5:40くらいには空港に到着しなければならない。これほどの超早朝便とあらば、東京23区内でも到達可能な範囲は限られてくる。
これに間に合うには、京急線ならば品川5:15発→羽田空港国内線ターミナル5:32着の快特、東京モノレールならば浜松町5:18発→羽田空港第2ビル5:39着の区間快速あたりとなろう。今回は京急を利用したが、品川5:15発の快特に間に合うのは山手線全線、京浜東北線赤羽〜磯子まで、中央線中野までに限られ、総武線や常磐線、地下鉄各線は全線アウト。京急線が直通する都営浅草線も、この時間ではまだ運転が始まっていない。
一本あとには品川5:26→羽田空港国内線ターミナル5:42の快特があり、これは都営浅草線を越えて京成高砂4:48始発のため、京浜東北線南浦和〜大船まで、常磐線松戸まで、総武線津田沼までといった具合に、到達可能なエリアが広がる。都営浅草線区間の通過も5時を過ぎるため、地下鉄各線の中でも東西線東陽町〜日本橋まで、日比谷線霞ヶ関〜東銀座まで、大江戸線清澄白河〜大門までといった具合に、地下鉄各線の中にも間に合う駅が出始める。とはいえ、羽田空港の駅到着から搭乗手続き締め切りまで8分しかなく、手荷物預けはまず無理で、駅からはまず間違い無く駆け足となってしまうだろう。
さて、品川5:02着の山手線内回り初電で品川へ降り立ち、足早に京急線乗り換え改札を通過すると、既に結構な人が快特羽田空港行きを待っていた。
5時台前半の下り優等列車はすべて羽田空港行きで、横浜方面は普通ばかり。羽田空港行きは5:15(快特)・5:26(快特)・5:39(✈︎急行)・5:52(✈︎快特)と11〜13分おきに優等列車があるのに対し、横浜方面の優等列車は5:42(特急)までなく、その次は5:59(特急)と17分開き、ほぼ6時である。要は5時台の優等列車のほぼ全てを羽田空港へと振っているわけで、いかに京急が羽田空港の早朝出発便への需要を重視しているかがわかる。
ANA便が出る第2ターミナルへの改札口に近い先頭車まで来ると、品川の改札口から遠いだけあって流石に空いていたが、それでも数名が快特を待っていた。品川始発だけあって発車12分前には新品川の留置線から8両編成の回送車が出てきて、1〜2分した後に扉が開いた。発車時点では10名程度になり、乗り換え改札に近いあたりは座席が埋まっただろう。5:15、品川発。
次は空港線分岐駅の京急蒲田。ここからの乗車が意外に多く、あっという間に立ち客が出た。蒲田自体がいまや羽田空港の前線基地としてホテル等の受け皿になっているのに加え、700mほど離れた蒲田駅に着く東急多摩川線(多摩川5:03発→5:14着。目黒線奥沢4:58発からも乗り換え可能)・池上線(雪が谷大塚5:00発→5:10着)の始発からの乗り換えもあるのだろう。慣れていれば東急・京急間は10分程度あれば乗り換えられ、東急各線から羽田空港へ出るサブルートとして機能している。これだけの利用があれば、噂がくすぶる蒲蒲線の建設が前向きになるのも無理はない。5:24、京急蒲田発。
町工場と住宅が混在する下町を走り抜け、まずは国際線ターミナルへ5:30着。1両数名ずつ下車があった。国際線の出発のピークはもう少し後なので、快特からの下車は多くない。
予想通り、9割方は5:32着の国内線ターミナルで下車。雪崩を打って下車する勢いで、あっという間にエスカレーターの麓には行列ができる。荷物は大型リュックサックにまとめられるようにしておいたので、キャスター付きバッグ勢を横目にエスカレーターを上がれるのはスピーディだし、手荷物預けもしなくて良いので、こういう時は便利だ。
始発で行ったが、それでも保安検査場通過は出発30分前、5:40頃となってしまった。5時台でもターミナル内は既に結構な人出で、ベンチの類は粗方埋まっていた。早朝とあって売店や食堂はまだほとんどが閉まったままで、唯一空いていたエア・ローソンには長蛇の列ができていた。気持ちはわかるが、飲食物は前の日のうちに仕入れておいた方が、こういう一分一秒を争う時には無難だ。
出発20分前、保安検査場通過締め切りの頃には、61番搭乗口前に長蛇の列ができていた。61番というと、京急線・モノレールから一番近い保安検査場Bの目の前であり、始発電車からの乗り継ぎにも配慮されている。もしこれが遠い搭乗口からの出発だと、ターミナル内を駆け足で移動せざるを得ない人が続出してしまう。人々の服装は総じてラフで、いかにもリゾート路線といった雰囲気。
2ヶ月前に満席となっただけあって、キャンセルは1席も出なかった。ボーディングブリッジへ向かうと、なんと最新のB787型機。
前回、宮古島へ向かう際に乗ったJTAが退役寸前のB737-400型機だったのとは対照的だ。さほど遅れを出すこともなくD滑走路へ向かい、定刻通り離陸。
787ならではの電子カーテンをONにし、早朝出発の疲れを少しでも取るべく、しばし目を閉じた。6:10、羽田空港発。
(つづく)