九州・沖縄

【沖縄】どちらに乗る?石垣空港から離島ターミナルへ──東バス④⑩空港線 #68

いつまでも幸せに」という願いを込めた、八重山の伝統工芸・みんさー織。そのみんさー織を纏い空港から市街地を結ぶバスと、地域に根差した「青い空に白い砂浜」をあしらったバス。空港から出る2つのバス、それぞれとっても個性的である。


2つの石垣空港エアポートバス

石垣空港から石垣港離島ターミナルへのバスは二つある。メインルートとなるのは老舗・東運輸株式会社の「あずまバス」、そしてもう一つが新規参入・カリー観光の「ミンサー号」である。

▲カリー観光「ミンサー号」その名の通りミンサー織の模様をあしらっている。基本的に観光車だが中には路線車改造もある

どちらも空港と離島ターミナルを結ぶのは同じだが、様々な点が異なるため、目的に応じて使い分ければ良いだろう。

まず、東バスは本数が多く、途中停留所も多いため利用しやすい。石垣空港─石垣港離島ターミナル─バスターミナル(石垣港離島ターミナルに隣接。『石垣バスターミナル』とかではなく単にこう呼ぶ)を結ぶのは4系統・10系統の2系統があり、双方とも運賃540円・30分間隔、都合15分間隔という頻発ぶりである。加えて、空港発・バスターミナル発の始発停留所の出発時刻も00・15・30・45分に揃えられており、不慣れな観光客が多いなかで、少しでもわかりやすくする努力がなされていると言える。

▲石垣空港で発車を待つ東バス⑩バスターミナル行き。

4系統・10系統は石垣市街地での経由地が異なり、サンエー・かねひでといったショッピングセンターを経由していく4系統、ANAインターコンチネンタルホテル・アートホテル石垣島といったホテルを経由していく10系統とに分かれており、性格が若干違う。また、4系統は直線的なルートを採るため所要35分なのに対し、10系統は複数のホテルへ寄り道していくため40分を要する。

▲⑩の独自区間「みんさー工芸館前」に停車

このため、始発停留所出発時点ではきっかり15分間隔だが、両系統が重なる下り八重山支庁前→石垣空港行きの途中停留所からだと、時刻が若干ズレる。とはいえ、この八重山支庁前─石垣空港間は沖縄県内でも屈指のバス頻発区間であり、地元住民の利用も多い。沖縄県内の本島以外では初となるICカード「OKICA」の導入も予定されており、名実ともに石垣島の幹線として機能している。

▲石垣港離島ターミナルで発車を待つミンサー号。「直行」「500円」を車体でもアピールする

一方、カリー観光「ミンサー号」は石垣港離島ターミナル─石垣空港間を途中停留所なしで結び、所要時間30分と東バスより5〜10分短く、運賃も片道500円・往復900円と、東バスの片道540円・往復1,080円より安い。また、社名が表している通り観光車を充当しているため、一般のノンステップバスである東バスよりも快適である。このため、途中停留所に用のない直行客、おもに観光客はこちらを利用する場合が多い。

▲石垣空港のミンサー号乗場。PRに余念がない

しかしながら、東バスでも「空港往復チケット」を往復1,000円で発売している(有効期間なし)ほか、この空港往復チケットを購入すると安栄あんえい観光フェリー130円引き券が2枚=260円分がサービスされる(※ウェブ予約5%割引と併用可。アイランド・ホッピングパス購入には充当不可)ため、フェリーに乗るのであれば実質740円となり、カリー観光よりも安くなる。

▲2枚つづりの東バス「石垣空港往復チケット」有効期限はない

また、東バスは石垣島内全線5日間有効の「みちくさきっぷ」を2,000円で発売しているため、石垣島内を路線バスで巡るのであれば、やはり東バスの方が有利になる。カリー観光は空港─離島ターミナル間の1路線しか運行していないからだ。

▲東バスのローカル系統。空港系統とは車体の塗装が異なり、役割の違いが明確に区分されている

よって、フェリーに乗り継ぐ場合か、その後も石垣島内を路線バスでめぐるのであれば東バス、それ以外(石垣市街地でレンタカーを借りる場合など)ならカリー観光というようになるだろう。一見、カリー観光の方が安くて早くて快適のように見えるが、そこは東バスも老舗のネットワークを活かして対抗していると言える。

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「石垣の幹線:東バス④⑩空港線」

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