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【福岡】キャナル新駅が変える福岡都心 – 福岡市地下鉄七隈線(延伸区間)・JR鹿児島本線(博多-千早) #29

独占区間故の混雑なのか

正直、小倉方面への鹿児島本線快速がこれほど混むとは思っていなかった。久留米・大牟田方面へは天神から西鉄天神大牟田線が鹿児島本線にほぼ並行して伸びているが、福間・小倉方面へは鹿児島本線一本しかないこともあるだろう。国鉄時代に進まなかった分、JRになってからの新駅設置も数多い。

ただ、列車本数という面においては、まだ名古屋に一歩劣る印象を受ける。夕ラッシュのピークでも特急3本/h・快速3本/h・普通4本/hの計10本/hと、日中と比較して特急・普通が1本/hずつ増えるに過ぎない。博多→千早のような快速停車駅間の短距離移動でも、18時台に14分待ちとなる穴があるなど、地下鉄や西鉄と比較するとJRの本数の少なさが際立つ。西鉄は18時台に特急2本/h・急行6本/h・普通8本/hの16本/hを確保し、三大都市圏に引けを取らない都市型ダイヤを組んでいる。

鹿児島本線しかないからこそ、不便なダイヤでもこれだけ混雑するのであろうが、都市鉄道の体裁を整えるにはせめて10分間隔程度の運転を期待したいところ。貨物列車や特急列車も多数走るために快速・普通の増発が難しいのだろうが、現状は本数が少ないために混雑を引き起こしている側面が否めない。

それでも、鹿児島本線沿線に開発されたベッドタウンへの足として、鹿児島本線快速は大いに乗客を乗せて日々走っている。しかし、2007年までは福間を経て津屋崎まで、西鉄のとある路線が伸びていた。鹿児島本線と並行する西鉄電車という意味では、天神大牟田線と似た環境であったのだが、なぜ福岡に直接乗り入れる大手私鉄の路線が一部廃止の憂き目を見たのだろうか。うがった見方をすると、西鉄電車の廃止によって鹿児島本線の混雑に拍車をかけているような気すらする。

西鉄千早駅の駅名標西鉄千早駅の高架開業が進む一方で末端区間が廃止されるというちぐはぐな展開を見せた

その実態を確かめるべく、JR千早駅の改札を出て、隣接する西鉄千早駅の改札へ向かった。

(つづく)

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