東北・北海道

【福島】会津へ走った東武快速──東武鬼怒川線・野岩鉄道会津鬼怒川線・会津鉄道会津線 #63

快速から特急”リバティ会津”へ

なかなか本格的な特急列車に恵まれなかった会津線ルートだが、転機が訪れたのは2017年。浅草─会津田島間直通の快速が廃止され、新たにデビューした500系特急「リバティ」を使用する「リバティ会津」へと置き換えられたのだ。

快速に使用されていた6050系電車は、幅広のボックスシートを多数設置し、テーブルも備えという料金不要にしては優れた設備の電車ではあったが、登場から30年以上を経過し、浅草から約4時間を過ごす行楽列車にしては、設備が陳腐化していたのも事実であった。

▲2扉ボックスシートが並ぶ東武6050系の車内

500系リバティの特徴は、100系スペーシアでは考慮されなかった分割・併合ができる3両単位であること。野岩線・会津線の最大4両という制約を反映し、1編成を3両とした。下今市まで2本繋げた6両で運行し、下今市で切り離し。下今市からはそれぞれ3両で運行し、会津田島および東武日光まで向かうという、快速の運行形態を特急にも当てはめたものだ。

▲特急リバティへの期待感が見える会津鉄道のポスター

また、外国人観光客の顕著な増加により、浅草─東武日光間を直通する特急が求められていたというのも、リバティ登場の背景として挙げられる。日光直通・会津直通という、スペーシアには担えない役割を満たしつつ、快速用6050系のグレードアップを図ったのが、500系特急リバティというわけだ。浅草─会津田島間は快速よりも15〜30分ほどスピードアップし、最速3時間13分となった。

しかしながら、快速の代替となる特急料金不要の列車は、かなりの利便性低下となってしまった。例えば、長らく下り一番列車であった浅草6:20発快速会津田島行き(会津田島9:45着)は、浅草5:58発区間急行南栗橋行き〜南栗橋7:01着/7:02発急行東武日光行き〜下今市8:07着/8:15発特急リバティ会津101号会津田島行き〜会津田島9:43着に3分割され、南栗橋と下今市で二度の乗り換えを必要とするようになった上、浅草出発も22分繰り上げとなってしまったのだ。

▲浅草5:58の区間急行南栗橋行きも一般列車用1・2番線から出発する

早朝帯の22分もの繰り上げは到達不可能となるエリアを広げてしまい、実質的には特急列車への誘導である。逆に言えば、特急化により浅草出発が10分繰り下げられたので、特急料金はかかるが到達可能エリアを広げることにもなった。例として、熱海4:35発東海道線普通前橋行き〜上野6:25着/6:30発地下鉄日比谷線東武動物公園行き〜北千住6:39着/6:42発特急リバティ会津101号の乗り継ぎが可能になり、小田原までだった到達可能エリアが熱海まで広がっている。

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「”ごった煮”快速の始発駅:浅草」

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