「道志バスみち」を観光ルートに
現状、なんとか首の皮一枚つながっている、橋本駅・相模湖駅―(神奈中)―三ケ木―(神奈中)―月夜野―(富士急)―道志小学校―(富士急)―富士山駅のバス路線。しかし、あまりにもマイナーなせいで、このIT時代に時刻を調べるのも一苦労。特に道志村内の富士急山梨バスは、時刻がPDFで公開されているだけで、路線検索にもなかなかヒットしない。
しかし、バスだけで相模原から富士吉田までの国道413号「道志みち」を横断することができる・・・とあらば、富士五湖方面へ向かう観光客の一部だけでも、「道志バスみち(S駅命名)」にも誘導できはしないだろうか?
道志みち沿線にはキャンプ場ばかりでなく、村営温泉「道志の湯」に、温泉宿「紅椿の湯」、道志川のマス釣り場などの観光スポットが点在しており、ローカルバスを乗り継ぎながらこれらをめぐるのもまた一興。実際に道志村へバスで足を運んでみて、それを満たすだけの潜在能力は十分あるように感じた。神奈中と富士急が合同で「道志バスみちきっぷ」のような、企画乗車券を発行するというのも面白いだろう。
中央線・富士急行線および中央道沿線と比較して、都市化が全く及んでいないからこそ、豊かな自然をこれでもかというほど感じることができるのが、道志みち沿線なのだ。こんな豊かな大自然が、ほぼ横浜市水道局を通した横浜市民にしか知られていないというのは、あまりにもったいない。
重要なことは、奥多摩のような行き止まりでなく、その先に富士五湖、相模原・横浜・東京という大需要地を控えているということ。つまり、「帰りだけでも道志バスみちを辿ってみようか」という気を起こしうるということだ。いくら魅力的な観光地であっても、行き止まりでは周遊ルートに組み込みにくく、足が遠のく。その点、「道志バスみち」は起終点とも申し分ない。
乗継案内の時刻表・パンフレットを作成したり、路線検索にも対応させるなどのPRを通じ、道志線の乗客が少しでも増えてくれれば…。現代に残った貴重なローカル路線バスを、ぜひ村の観光資源へと育てていってほしいもの。今回は土砂崩れのために神奈中側からの道志入りは叶わなかったが、いつかリベンジしてみようと思う。
※参考:下り方面乗継時刻表(2019/2/1時点・S駅調べ)
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河口湖駅は外国人の渦