池間ブルーの海を渡って
狩俣を過ぎると、宮古島最北端の世渡崎を経て池間大橋、池間島へと続く県道230号本線と、ゴツゴツとした岩場が1.2kmにわたり続く西平安名岬への分岐点がある。宮古島南東部に2kmにわたり突き出た東平安名岬と対になる存在だが、世渡崎というか池間大橋から岬をすべて見渡せるせいか、あまりメジャーな観光地とは言えない。
(八千代)平良を出て25分ほどで、車窓の両側に海が見えるようになる。世渡崎から「世渡橋」で全長220mの小さな島へ渡り、その島が尽きるといよいよ池間大橋。
池間大橋は全長1,425m、1992年に宮古諸島の離島架橋のトップを切って開通した。池間大橋の例に続いてか、1995年には来間大橋(1,690m)、2015年に伊良部大橋(3,540m)と、離島架橋が続いた。
陸地の取り付き部分が両方ともごく低い浜辺だからか、海面との距離が伊良部大橋・来間大橋よりも近く、車窓を見ると海面を滑るかのように走ってゆく。中央部こそ船舶の通行のために高くなっているものの、それ以外は海面すれすれのような感じ。バスに乗っていながら、まるで船に揺られているかのよう。約5分の海上走行は、あっという間に終わってしまった。
池間島に入っても宮古島北部の景色とそう変わることはなく、淡々とした走りが続く。池間島も宮古島と同じ珊瑚礁の島であり、最高点でも28mというから、いかに平坦な島かがわかろうかというものだ。
池間島の集落は、宮古島に面し、かつては宮古島行きのフェリーが発着した池間漁港周辺に固まって形成されており、それ以外は豊かな自然が残る。人口は約600名というから、ほとんどが池間漁港周辺に居住しているものと思う。そのため、停留所も集落の北東部に位置する「学校裏」と、池間港を回り込んだ南西部の「漁協前」の2つのみ。池間郵便局や観光協会が立地する、集落の中心部と思しき場所へは漁協前停留所からもう300~500mほど離れているが、延伸するまでの需要はないということか。
港に面した池間小中学校の裏手に位置する「学校裏」での乗降はなく、オジイと僕を乗せたバスは、定刻通りに漁協前終点へ到着した。
16:15、漁協前着。
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「漁協前終点の折り返し模様」