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【千葉】”町民鉄道”は今日も走る──流鉄流山線 #60

流山線の玄関口…馬橋駅

流山線馬橋駅は、JR常磐線各駅停車の馬橋駅と隣接しており、跨線橋で繋がっている。しかし、常磐線から流山線へ乗り換えるには一旦JRの改札を出て、馬橋駅西口へ至る通路の途中にある小さな階段を下り、下りたところが流山線馬橋駅の改札口となる。

まっすぐ行っても常磐線各駅停車を降りてから2分くらいはかかり、しかも流山線部分は階段しかないため、乗り換えはあまりスムーズとは言えない。

流山線は馬橋起点だが、次の幸谷は常磐線各駅停車・武蔵野線の新松戸駅と隣接しており、乗換駅として機能している(ただし連絡運輸は扱っておらず、定期券は馬橋乗換のみ)。武蔵野線は西船橋・舞浜・東京方面へ直通しているため、馬橋でなく幸谷でJRへ乗り換える流山線利用者も多い。現に、流山線馬橋駅の乗降客数が約2,900名なのに対し、幸谷駅は4,500名と、幸谷駅の方が1.5倍も多い。

これは、流山─馬橋間の運賃が200円なのに対し、流山─幸谷間は170円と、幸谷で乗り換えた方が運賃が安くなる場合が多いことが影響していよう。ただ、流山線馬橋─幸谷間の運賃は120円と、常磐線各駅停車馬橋─新松戸間の133円に対し、13円安い。このため、この1駅間のみを利用する乗客のなかには、敢えて流山線を選ぶ乗客もいるようだ。

このような背景から、流山線と常磐線各駅停車の乗換駅の機能は馬橋・幸谷/新松戸の2駅で分担している形となっており、流山線馬橋駅のホームはいささか閑散としている。

この1駅間1.7kmは流山線と常磐線各駅停車が並行する形となるため、流山線単独区間と言えるのは全線5.7kmからさらに短くなって僅か4.0kmとなり、ここまで来るともはやバス路線の感覚に近い。

それにしても、大手町まで僅か30〜40分の駅なのに、ICカードどころか自動改札機すらない。列車到着時には、事務所から駅員さんが出てきて「舟」に立ち、乗車券を回収し、定期券を確認するという基本動作を、頑なに守っている。ICカードが当たり前となった時代にあっても、旅客営業規則(鉄道事業者と旅客の間の契約書のようなもの)は、明治以来の”切符切り”を基礎としている。そう思うと、東京のすぐ近くに頑固一徹、昔ながらの”切符切り”が立つ駅があるというのも、ただ単なる時代遅れとも思えない気がしてくる。

窓口で一日乗車券(500円)を買い求めると、駅員さんが慣れた手つきでゴツい日付印をドンと押し、手渡してくれた。馬橋─流山間の運賃は200円であり、1.5往復で元が取れる設定である。

流山線馬橋駅は1面2線で、2番線はラッシュ時のみの使用。古いながらも手入れの行き届いた木造屋根が現役で、これまた古き良き時代の鉄道の姿を今に伝えている。また、貨物輸送は既に廃止されているものの、流山線の新車搬入などのために、常磐快速線との接続は維持されている。このため、旧来の貨物設備の名残が、今も駅の各所に残っている。

最盛期には3両編成が10分間隔で発着し、片方に電車が到着すると、もう片方で発車待ちしていた電車がすぐさま出発するという運用をしていたというから、往時の賑わいは相当なものであっただろう。

12:38、馬橋発。流鉄流山線、流山行き。

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「元西武101系が元気に走る」

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