流山の旅も締めくくり。まずは、TX流山セントラルパーク駅から1駅だけTXに揺られ、流山の新市街地として成熟へ向かう南流山へ向かってみよう。
意外と下り方面も乗る”センパ”
TX流山セントラルパーク駅は、TX20駅のうち3駅しかない普通電車のみの停車駅。乗降人員も9,400名/日と、同じ普通のみの停車駅である柏たなか(9,800名/日)より僅かに少なく、TX18位に沈む。しかし、流山市内の流山線各駅(流山2,800名・平和台2,500名・鰭ヶ崎1,200名)を全て足しても6,500名にしかならず、TX流山セントラルパーク1駅に遠く及ばない状況にある。
これを反映し、列車本数もTX流山セントラルパークは普通電車だけでも6本/h来るのに対し、流山線は3本/hと半分しかない。両隣の快速停車駅・流山おおたかの森と南流山は快速・区間快速が増えて10本/hとなるから、その差は歴然としている(ただし普通6本/hのうち2本/hは八潮で快速を待避するため秋葉原先着は8本/h)。所要時間もTXが流山セントラルパーク〜秋葉原まで26〜28分なのに対し、流山線〜馬橋乗り換え常磐線各駅停車・地下鉄千代田線直通では流山〜新御茶ノ水まで45分と、TXは流山線の3分の2で走ってしまう。おまけに流山線はSuica・PASMO非対応で、定期券を持っていなければ、いちいち券売機に現金を投入してきっぷを買わなければならない。
TXの守谷以南では利用者が最も少ない駅のため、もっと閑散としているかと思ったが、電車が約10分間隔で来るためか、電車が来る毎にパラパラと人の流れができる。また、快速停車駅で混雑する両隣の駅や、開発年代が古く駅前広場が狭い駅が多い常磐線の駅に比べ、ロータリーに余裕があってクルマを止めていられるせいか、キスアンドライド(駅へマイカーで送り迎えすること)も多く見られた。言わば、新幹線の最速達列車が停車する県庁所在地の駅(例:富山駅)よりも、その隣の田園の中にある新幹線単独駅(例:新高岡駅)の方がクルマで乗り付けやすいというのと同じ。周囲の駅にはない特徴のひとつだろう。
流山線にはないPASMOをタッチしてホームに上がると、15名ほどが上り秋葉原行きを待っていた。反対側は17:27発下り普通守谷行きが出て行くところだったが、やはり15〜20名程度が降り、10名程度が乗っていった。
下りへの流れも結構あるように思ったが、この駅はTXにおける流山本町(旧市街地)や流山市役所の最寄駅。流山本町から流山おおたかの森、あるいは東武野田線へ乗り換えて江戸川台などへ公共交通機関へ向かうには、流山セントラルパークまで10〜15分ほど歩き、TXに乗るのが一番早い。市内移動の縦串としても、TXは有効に利用されているのである。
上り17:29発普通秋葉原行きはガラガラで到着。下り守谷行きと同じように、10名ほどが降り、15名ほど乗車。
17:29、流山セントラルパーク発。つくばエクスプレス線普通秋葉原行き。
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「古いマンションは蘇るか…南流山」