浦安駅再開発で元町は変わるか
残念なことに、現在でも浦安駅のロータリーは狭く、数台が待機できるタクシー乗り場しかない。
バス乗り場はやなぎ通り沿いに点々と並ぶ「浦安駅入口」停留所まで3分ほど歩く必要があり、その間に屋根付きの歩道などはない。
また、やなぎ通りを新浦安駅方面へ向かうバスならばそのまま平面で乗れるが、堀江・舞浜駅など南方向へ向かうバスへは歩道橋を渡るか、東側の横断歩道まで回りこまなくてはならず、東西線からは5分ほど見ておかねばならない。
この浦安駅ロータリーが狭い問題は、駅開設以来の問題であり続けているものの、改善の兆しは見られない。2008年に浦安市は「浦安駅周辺まちづくり取り組み方針」を発表しており、一応将来に向けた青写真は描かれている。
浦安駅の近くにある市営立体駐輪場と、やなぎ通りの南側に広がる市営青空駐車場の用地を利用し、両者をやなぎ通りを跨ぐ広いデッキで連結し、浦安駅に向いた側にはエスカレーターを設置し、そのままやなぎ通りを渡ってエスカレーターを降りればバスへ乗り換えができるようにする…とされているものの、発表から10年を経てなおその動きは鈍い。
この間、2011年には東日本大震災が発生し、液状化現象により新浦安駅前の駅前広場がガタガタに波打ったり、市内の上下水道がストップしたりと大きな影響を受け、それの復旧にリソースを割かれたという背景はあるにせよ、少なくとも20年くらい浦安駅前の景色はほとんど変わっていない。この間変わったことといえば、東西線浦安駅のリニューアルが行われ駅ナカ店舗が増えたことと、駅前ロータリーの入口に地元商店の看板がズラズラと並べられた、ある意味田舎くさい「浦安駅入口」のアーチが撤去されたことくらいか。
浦安駅周辺の再整備と合わせ、東西線浦安駅にも、市が計画しているデッキに直結する2階改札口ができれば良い。東西線浦安駅には、葛西・浦安・行徳・原木中山といった初期の東西線高架駅に共通する中2階があり、いかにもデッキで直結できそう。しかし、残念ながら現在の市の計画では、やなぎ通りを跨ぐデッキと駅は直結されず、駅に向いたエスカレーターが整備される計画のみだ。
東西線開通から50年を経て、浦安駅前は抜本的な再整備の時期を迎えていると言っていいだろう。現在は華やかな舞浜駅・新浦安駅の陰に隠れがちな東西線浦安駅であるが、再整備が完成した暁には、浦安第3の発展の原動力になることだろう。それには、東京ベイシティ交通バスとの連携が欠かせないものとなる。
現在の東京ベイシティ交通バスは、浦安駅入口─舞浜駅間だけを見てもかなりの路線があることからわかるように、路線網が複雑なものとなっており、特にTDR目当ての一見客にとってはわかりにくい。
ただ、知っていればディズニーリゾートライン(モノレール)に乗ることなく、東京ディズニーシー(TDS)の目の前まで行ってくれる【8】富岡S線・【12】舞浜リゾート線のようなバスがあったりと、TDR客にとって隠れた便利さを持っていることも事実ではある。
市内をくまなく巡る足として、またTDRと東西線の橋渡し役として、東京ベイシティ交通バスは確固たる存在感を持っている。ただ、東西線とTDS・TDLがモノレールに頼ることなく直結しているという事実はあまり知られておらず、東西線からTDRへアクセスする際も、京葉線の駅までバスか自転車で出てから京葉線で行くのがメインになっている。東西線各駅におけるPRがもっとあってもいいのかもしれない。
(おわり)