石垣島北東部、平久保半島の付け根にある集落、明石。何ということはない、沖縄の田舎町。この町に、沖縄を代表する「八重山そば屋」がある。
石垣島北西部、川平湾。澄み渡る青い海に緑の島が浮かぶ光景は、「カビラブルー」と呼ばれ、世界の人々を魅了している。
そして、それら二つを巡る路線バスが走る。観光向けでなく地元向けなのは確かだが、それでも観光客の利用が増えつつある。地元に根を下ろしつつ、観光対応に向け変化を整えつつある、ローカル路線バスの姿を追った。
8/11(日):石垣バスターミナル11:20発─(東バス【6】平野線・平野行き)─平野12:50着…(平久保崎灯台見学)…平野13:40発─(東バス【6】平野線・バスターミナル行き)─舟越14:01着…(休憩)…16:43発─(東バス【6】平野線・平野行き)─明石16:52着…(明石食堂)…明石18:08発─(東バス【6】平野線・バスターミナル行き)─舟越18:17着 8/12(月):舟越7:43発─(東バス【3】東回り一周線・バスターミナル行き)─川平公園前8:52着…(川平湾見物)…川平公園前10:16発─(東バス【9】川平リゾート線・クラブメッド行き)─クラブメッド10:32着…(クラブメッド石垣島ランチ)…クラブメッド13:49発─(東バス【9】川平リゾート線・バスターミナル行き)─バスターミナル14:48着 |
【6】平野線:便利なフリー乗降
バスターミナル11:20発→平野12:50着の【6】平野線・平野行きで、終点・平野まで全線乗車したあと、徒歩20分ほどの平久保崎灯台を見物。
その帰りは始発の平野ではなく、徒歩15分ほどで着く、灯台への分岐点から乗車することとした。石垣空港─伊原間─平野・大嵩西入口の石垣島北東部〜北西部にかけてのローカル区間はフリー乗降制が採られているため、停留所こそないが、県道206号から平久保崎灯台への分岐点を示す道路標識の地点が、実質的に「平久保崎灯台入口」とでも言うべき停留所として機能している。
平野からの上りは、最大1日5便しかない。
- 7:30(土日祝/学休日運休)
- 8:40(日祝運休:ただし春夏休みは運行)
- 13:35
- 17:50
- 20:20(土曜および祝前日のみ運行)
そのため、例えば冬休み期間中の日曜日などは、毎日運行の13:35・17:50の2便のみとなってしまう。また、到着便は以下の通り、最大1日4便。
- 8:26(日祝運休)
- 12:45
- 17:10
- 19:45(日祝運休)
以上のように、折り返し時間は最大でも50分程度。7:30→8:26(56分)、8:26→8:40(14分)、12:45→13:35(50分)、17:10→17:50(40分)と、最低でも徒歩15分×往復=30分が移動時間で取られるだけに、灯台見学にかけられる時間は最大20分ほどと、そう長くない。
もっとも、何か土産物屋があるとか、中に入って見学できるとか、そういった時間を要する観光スポットがあるわけでもなく、岬に建っている灯台を外から見学するだけなので、ちょうどいいといえばちょうどいいのだが。
平野12:45着で到着したため、50分後の平野13:35発で引き返すこととなった。この時、「平久保崎灯台入口」から乗ったのは、自分だけ。そして13:36、平野を時間通りに出発した黄色いバス、【6】平野線・バスターミナル行きは、灯台分岐点へやってきた。
13:36、「平久保崎灯台入口」発。
下り平野行きに、川平方面と間違えて乗ってきてしまった中国人観光客の一団はどこへ行ったのかと思っていたら、平野発のバスに既に乗っていた。彼らとは灯台への道ですれ違ったが、あまりに暇すぎて平野終点まで行き、そこから乗ったようだ。
平久保、吉野を通過し、久宇良では2名を乗せた。続く明石はやはり通過。川平方面乗り換えとなる伊原間では1名が降り、14:01にそのまま出発。続く舟越の先に今宵の宿「コーラルリゾート石垣島」があるため、フリー乗降制度を利用して宿の目の前に止めてもらった。乗車も停留所ではない灯台への分岐点で、下車も停留所ではない宿の目の前であった。停留所まで歩く必要がないのは便利で、さほど交通量がないローカル区間だからこそのサービスと思う。
間違えて平久保崎灯台へやってきてしまった中国人観光客の一団は眠りこけていた。バスターミナルまでそのまま行くのだろう。予定が狂ってしまったのはお気の毒と言うほかないが、悪い思い出にならないよう祈るしかない。
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最高のソーキを求めて・・・明石食堂