七隈線”キャナル新駅”への期待
そんなキャナルであるが、目の前に地下鉄七隈線の新駅が造られようとしている。
現在の七隈線の起点は「天神南駅」であり、ここを起点として福岡市南西部の橋本へ向かう。天神南駅は天神地下街で空港線天神駅や、西鉄ソラリアステージ、岩田屋百貨店、大丸などの各種施設と結ばれてはいるが、天神の南の外れであり、空港線天神駅までは550m・徒歩8分と案内される。
七隈線は起点の天神南で空港線(・箱崎線)および西鉄天神大牟田線と、天神南から2つ目の薬院で同じく西鉄天神大牟田線と接続する以外は他路線との接続駅を持たず、天神南から鉄道空白地帯であった西南部へと伸びてゆくのみで、ネットワーク性を殆ど持たない。加えて天神南の空港線乗り換えが不便であること、並行する西鉄バスとの調整もあまりうまくいかなかった(特に博多駅へは天神南で空港線へ乗り換えるか、薬院で西鉄バスへ乗り換える必要があり、最初からバスに乗った方が早くて安かった)こと等の要因が重なり、苦戦が続いている。2005年の開業から10年間、2015年までは予想を下回る利用実績に終わった。
そこで、集客力があり、且つどこの駅からも離れていたキャナルシティ博多を経由して博多駅へと延長する計画が持ち上がり、開業8年後の2013年に着工。現在は2022年の開通を目指し、建設中である。ただ、2016年にはかた駅前通りで大規模な陥没事故を起こしたのは記憶に新しく、この影響で開通が2020→2022年度に延びるなど、喜んでばかりはいられない。
地下鉄開通を睨んで全館規模のリニューアルが進む(奥)
天神南〜博多間の延伸がなれば、七隈線沿線の利便性向上に繋がるだけでなく、混雑が激しい空港線天神〜博多間のバイパスルートが形成されるために空港線の混雑も緩和され、七隈線から福岡空港へも不便な天神南でなく博多駅で容易に乗り換えられる…等、様々な効果が見込まれている。
(次ページ)
「七隈線”おとなりきっぷ”が福岡を変える」