基幹系統【23】具志川線
さて、【23急行】具志川線は、各停便も含めて4番のりばから出発する。【23】具志川線は琉球バス交通の中でも基幹系統といえ、13時台だけでも05、15、30、40(牧志経由)、50(急行)の5本が運行される。概ね10〜20分間隔で運行され、最終は那覇22:00発→具志川23:21着と、運行時間帯も幅広い。
具志川線だけでもそこそこ本数が多いものの、那覇─コザ間ではこれに加え、【90】知花線(約20分間隔)など、経由違いも含めて毎時20本前後のバスが入り乱れるため、まさに百花繚乱。経由地を見ただけでは、国道経由の基幹系統なのか、集落を縫って走る生活系統なのかが非常にわかりにくい。
目安として、同じ経由地を掲げているならば、より遠くの行き先を出しているバスの方が短絡経路を辿る場合が多い。例えば、那覇→コザであれば、【77】名護東線・名護バスターミナル行きは、本島北部の名護まで走破する長距離系統であり、(定刻であれば)コザまで各停ながらちょうど60分。急行の55分とほぼ同等である。しかしながら、【52】与勝線・屋慶名バスターミナル行きや、【27】屋慶名線・屋慶名バスターミナル行きのように、屋慶名という本島中部・勝連半島の30km離れた行き先を掲げながら、100分以上かける例もあるので、あくまで目安。
タイミングがずれていればよいのだが、【23】具志川線、【90】知花線、【30】泡瀬東線が同時に出発する13:05のように、同じ「コザ」と表示したバスが束になって出てゆくこともままある。「コザ」と書いてあるからといって適当に乗ろうものなら、基幹系統であれば60〜70分程度で着くところ、先述したように100分以上かけて走る系統まである始末。
【23】は基幹系統だけあって、その殆どは那覇市街中心部を避けて国道58号へ迂回するため、定時性の高い「久茂地経由」で運行される。しかし、13:40発を含め1日4本のみ「牧志経由」となり、国際通りを進む(この「久茂地経由」「牧志経由」の詳細については過去記事を参照いただきたい→https://station-office.tokyo/2018-04-20-190000/ )。同じ【23】だからといってよく見ないで乗ると、観光客であふれる国際通りをノロノロと進む牧志経由だったりするから、やっぱり沖縄のバスは難しい。
同じ4番のりばから、13:50発【23急行】具志川バスターミナル行きの前にも、13:40発【23】牧志経由具志川バスターミナル行きが出て行く。10分先行するのだが、コザ到着は10分後の急行の方が10分も早い=先発の【23】牧志経由は【23急行】よりも20分余計に時間がかかる、ということになる。その【23】牧志経由は、乗客5名程度で出発していった。
バスターミナルを行き交うバスを観察していると、どのバスも乗客数名で出て行く。文字通りひっきりなしにバスが出入りするものの、どのバスも乗客数名で出て行くあたり、いささか本数が多過ぎるような気がする。いや、多いに越したことはないのだが、「どうせ定刻に走れないからこそ、どんどん走らせてなるべく待たせないようにしよう」という意識がバス会社にもあるのかもしれない。
また、どのバスものりばで長々と待機するということはあまりなく、基本的にはあたかも途中停留所かのように、地下の待機場か地上の一時待機場からギリギリにやって来て、1分停車くらいでさっさと出発していく。どののりばからも5〜10分おきにバスが出てゆくため、占有しないようにしているのだろう。
さて、お目当ての13:50発【23急行】具志川バスターミナル行きは、発車1分前に4番のりばへやって来た。乗務員さんがドアを開けつつ「途中停留所にご注意ください、急行です」とアナウンス。大々的に宣伝しているとはいえ1日12本では、1時間20本もあるコザ方面行きの中でもメジャーとは言えず、注意喚起が欠かせない。運賃箱にまで「急行」と大書きしてある。
しかしながら、肝心の行き先は「23 急行バス 具志川行き」としか書いておらず、あまり急行であることを強調していない。ただ、沖縄本島のバスで「”〜行き”」を行き先表示に書くバスは非常に珍しく、何か差別化の意図があるのかもしれないが、だとしたら地味過ぎる。もっと大きい字で”急行”とはっきり書くべきだろう。
さて、肝心の乗客は自分の他に1名と、お寒い状況であった。乗客1名のまま出発。13:50、定刻どおり、那覇バスターミナル発。
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急行らしく快走!