九州・沖縄

【沖縄】島から島へ…ブーゲンビレア色のバスに乗って──宮古協栄バス【4】与那覇嘉手苅線 #55

機能不十分な平良港結節地点

平良市街中心部のバス路線図を以下に示す。

紫色の【4】与那覇嘉手苅線は、マクラム通りから平良市街へ入り、下里(北)交差点を左折して下里通りへ入る。そのまま平良港まで直進してから折り返し、市役所前・サンエー前(サンエー宮古ショッピングタウン)を経由した先の「平良」が終点。「平良」終点は移転前の宮古協栄バス平良車庫に近く(現在は150mほど南へ移転)、他社であれば「平良車庫前」のようなバス停名になっているようなロケーションだ。こうして平良市街を4分の3周してから平良(車庫)へ向かうルートのため、目的地の近くで降車しやすいようになっている。

下里通りの突き当たりにある「平良港」停留所は、「平良港(結節地点)」とバス停にある通り、島内のバスターミナルの役割を果たしている。宮古協栄バスだけでなく、宮古諸島を走る他の2社、八千代バス・共和バスも平良港まで乗り入れてくるので、ここで相互に乗り換えられる。ただ、各路線とも多くて1日8往復しかなく、特に接続ダイヤが組まれているわけでもないので、たとえ時刻表上では間に合う便でも、遅延した場合は接続を取るとは限らない。

▲平良港を出たバスはロータリーで転回して目的地へ向かう

平良港停留所は、2015年の伊良部大橋開通に伴い、かつて伊良部島へのフェリーが出ていた場所を改修し、フェリーに代わって伊良部島からやってくる共和バスを迎えるために設置されたものだ。このため、石垣島の離島ターミナルなどと異なり、バスターミナルとして機能するようになったのはつい最近のこと。それ以前は、宮古協栄バスの「平良」停留所と、八千代バスの「平良」停留所は全く別の場所に設けられており、連絡は全く考慮されていなかった。それに比べれば飛躍的な進歩ではあるが、残念ながらいまだ乗り入れるバスは足並みが揃っているとは言えない。

▲3社の時刻表が掲げられたバスポール。情報量は多いが大変に見にくい

池間島へ向かう八千代バスは、実質的に上り平良行きしか平良港まで乗り入れない。下り池間島行きは平良港から10分ほど離れた八千代バス独自の「平良」停留所を始発とするため、平良港からは池間島行きに乗れない・・・というか、通し乗車ができない。これは、①(八千代)平良→池間島②池間島→(八千代)平良→平良港→(八千代)平良、という2つの運行が独立しているためで、①→②はもちろん、②→①は通し運行ではなく、別運賃が発生する上に、折り返し待ちも生ずる。①と②はあくまで別便なので、平良港→(八千代)平良→池間島という乗車は、バス2便を乗り継ぐのと同様の扱いになる、というわけだ。何故このような取り扱いをしているのかは不明だが、乗客本位の取り扱いとは言い難い。

▲大きな平良港ターミナルビル

また、3月30日に運行開始となる下地島空港エアポートバスも、中央交通「みやこ下地島空港エアポートライナー」は平良港へ乗り入れるが、クローズドドアのため空港行きの乗車しかできず、シギラリゾート行きは降車専用である。乗降とも扱う宮古協栄バス【9】みやこ下地島空港リゾート線は至近の「マティダ市民劇場前」に停車するのみで、平良港には乗り入れない。「マティダ市民劇場」は平良港ターミナルビルの隣に位置し、両バス停はターミナルビルを通り抜けた目と鼻の先とはいえ、停留所名が全く異なっているため、観光客にとってはわかりにくい。大した遠回りでもないし、せっかくバスターミナルを整備したのだから、なるべく平良港へ乗り入れさせるべきだと思うのだが。

ともかく、ここで共和バス【7】伊良部佐良浜平良線・佐和田車庫行きへ乗り継ぐ。待っていた伊良部島行きは・・・なんと、マイクロバス!?

(つづく)

Twitterで新着記事を受け取るLINEで新着記事を受け取る

1 2 3 4